収入の何割貯金できれば優秀?投資込みで考える会社員の貯蓄率

お金の教養
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「手取りの何割を貯金すればいいのか」——この問いへの答えは、収入によって変わります。平均収入の人が20%を目指すのは現実的でなく、逆に高収入の人には10%は物足りない。「優秀な貯蓄率」は収入次第で変わるというのが、データから見えてくる事実です。

この記事では、収入に応じた現実的な目標貯蓄率と、今できることの順番を整理します。「投資を含む実質的な貯蓄率」で考えること、固定費削減の効果と限界、そして貯蓄率を本気で上げたいときの最後の答えまでをまとめます。

私自身も会社員として投資と貯蓄を組み合わせながら資産形成を続けています。固定費削減から始め、余力を自動積立に回す仕組みを整えてきました。「手取りの何割を貯金するか」という数字を意識しながら取り組んできた実体験をもとに書いています。

手取り何割貯金のイメージ

「手取りの何割を貯金すべきか」に答える前に確認したいこと

「手取りの何割を貯金すればいいか」という問いに答える前に、「貯蓄」の定義を確認しておきます。ここをあいまいにすると、人によって言っていることがまったく違うものになります。

貯蓄には大きく2種類あります。

  • 預貯金:銀行の普通・定期預金など。元本保証、ただし金利は低い
  • 投資:NISA・iDeCo・特定口座を通じた株式・投資信託など

「貯金は手取りの何割?」という質問では、多くの場合は預貯金だけを指していますが、資産形成という観点では投資も広義の「貯蓄」として合算して考えることが正しいです。現役世代がお金を実質的に増やすには預貯金だけでは追いつかないため、投資を組み合わせることが今の時代の前提になっています。

そのため、この記事では「実質的な貯蓄率=(貯金額+投資額)÷ 手取り収入」で考えます。手取りの何割を貯金しているかだけでなく、投資に回している割合も合算した値を「実質的な貯蓄率」として使います。この視点で考えると「手取りの何割を貯金するか」という問いの答えが変わってきます。

なお「生活防衛資金(突発的な出費に備える現金)」は貯蓄率の計算には含めません。生活防衛資金は月の生活費の3〜6ヶ月分を現金・普通預金で確保しておくものであり、資産を増やすためのお金とは別です。まずここを確保してから、余力を投資・貯蓄に回す順番です。

日本人の平均的な貯蓄率はどれくらいか

「自分の貯蓄率が平均より上か下か」を判断するには、まず平均値を知っておく必要があります。データをもとに整理します。

まじめくん
まじめくん

日本人の平均の貯蓄率って、どのくらいなんですか?

てぬき所長
てぬき所長

単身世帯で13%、二人以上世帯で11%。意外と低いですよね。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、年間手取り収入からの貯蓄割合の平均は二人以上世帯で11%、単身世帯で13%です。

世帯区分 平均貯蓄率 最多の割合帯
単身世帯(一人暮らし) 13% 10〜15%未満が最多
二人以上世帯 11% 10〜15%未満が最多

つまり「手取りの10%台を貯蓄に回している」のが日本の平均的な姿です。ただしこれは主に預貯金ベースの数字です。また「貯蓄ゼロ」の世帯も2〜3割程度存在します。手取りの何割を貯金しているかという数字は、人によって大きく差があります。

年代別に見ると、一人暮らしの会社員の場合、20代は18%・30代は17%という調査があります。30代で結婚・子育て・住宅購入などの支出が増える傾向があるため、年齢が上がるほど貯蓄率はやや下がる傾向があります。

年収別では、年収が高いほど貯蓄率が高い傾向もあります。年収300万円未満の世帯では平均8%程度ですが、750万円以上では14%超、1,200万円以上では19%に達するという調査もあります。一定の収入があることで固定費比率が下がり、貯蓄に回せる余力が増えるためです。

これらのデータが示すのは、貯蓄率は収入と連動して変わるという事実です。年収が高いほど固定費の比率が下がり、貯蓄に回せる余地が増えます。「20%超えが優秀」という基準は高収入層の話であり、すべての人に一律に当てはまるわけではありません。

収入によって変わる「優秀な貯蓄率」の目安

「手取りの20%以上が優秀」という情報をよく見かけますが、これは収入の高い人向けの基準であり、すべての人に一律に当てはまるわけではありません。収入が高いほど生活費の比率が下がり、貯蓄に回せる余地が増えるためです。

手取り月収 現実的な目標 優秀ライン
〜25万円 5〜8% 10%以上
25〜35万円 10〜13% 15%以上
35〜50万円 15〜18% 20%以上
50万円超 20%以上 25%以上

重要なのは「平均より上か下か」ではなく、今の収入で無理なく続けられる貯蓄率を設定することです。手取り25万円で20%(月5万円)を無理やり達成しても、生活が苦しくなれば長続きしません。まず固定費を削って余力を作り、その範囲で貯蓄率を上げていくのが現実的な順番です。

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私が実践している貯蓄+投資の考え方

まじめくん
まじめくん

実際、どうやって貯蓄率を上げたんですか?

てぬき所長
てぬき所長

固定費を削って、先取り積立に回しただけです。意志力は一切使っていません。

手取りの何割を貯金・投資に回しているかについて、私の実践をもとに紹介します。ただし月々の手取り収入と投資額の比率は、特定口座からの売却資金も活用しているため単純に「手取りの○割」とは言いにくい部分があります。ここでは考え方と手順の話として読んでください。

固定費削減から始めた

投資を始める前に、まず固定費の見直しから着手しました。携帯料金を格安SIMに切り替え・不要な保険を解約・使っていないサブスクリプションを整理しました。月々の固定支出を削減することで、手取りを変えずに貯蓄・投資に回せる余力が生まれました。

「貯蓄率を上げよう」と考えたとき、多くの人が「食費や娯楽費を我慢する」方向に考えます。しかし固定費を削るほうが、一度見直すだけで永続的な効果があります。変動費の節約は継続に意志力が必要ですが、固定費削減は「設定を変えたら終わり」です。手取りの何割を貯金に回せるかは、この固定費削減の取り組みで大きく変わります。

先取り積立で「考えなくても貯まる」状態を作った

固定費削減で生まれた余力を、手動で貯金するのではなく自動積立に設定しました。給与が振り込まれたら自動的にNISA積立と貯蓄口座に移動する仕組みを作ったことで、「考えなくても貯まる状態」を実現しています。「余ったら投資しよう」という発想では、気づけばお金が使われてしまいます。先取りの仕組みを一度作れば、「手取りの何割を貯金するか」を毎月悩む必要がなくなります。

iDeCoも含めて貯蓄率を把握している

会社の企業型DC(確定拠出年金)やiDeCoも、老後に受け取る「貯蓄」の一部として計上しています。iDeCoの掛金は全額所得控除になるため、節税しながら資産を積み立てられます。手取りの何割を貯金するかという数字を計算するとき、iDeCoの掛金もきちんと含めて把握することが重要です。NISAとiDeCoの使い分け方は別記事で解説予定です。

貯蓄率を上げるための3ステップ

貯蓄率を上げるための手順を4つに整理します。手取りの何割を貯金するかは意志力の問題ではなく、仕組みと収入の問題です。

ステップ1:固定費を洗い出して削る

月々の固定費を書き出します。家賃・携帯料金・保険料・サブスクリプション・車の維持費など。1項目ずつ「本当に必要か」を確認し、削れる固定費を削っていきます。固定費削減は一度やれば毎月効果が継続するため、節約のコストパフォーマンスが最も高い行動です。目標は月1〜2万円の削減。それだけで貯蓄率が3〜7%改善します。

ステップ2:先取り積立を設定する

削れた固定費の分だけ、積立金額を増やします。NISAは月1,000円から積立設定が可能です。「手取りの何割を貯金・投資に回すか」を決め、給与が入った瞬間に自動的に動く仕組みを作ります。先取り設定が鉄則です。余ったお金を貯めようとすると必ず失敗します。

ステップ3:昇給のたびに貯蓄率を見直す

収入が増えたとき・固定費をさらに削れたとき・生活環境が変わったときに貯蓄率を見直します。昇給しても生活水準を上げずに積立額を増やすことを「ライフスタイルインフレの防止」と呼びます。手取りの何割を貯金するかは一度決めて終わりではなく、収入の変化に合わせて定期的に更新するものです。「昇給したから積立を増やす」という習慣が、長期的に大きな差を生みます。

ステップ4:貯蓄率の天井を感じたら収入を上げる

固定費削減と先取り積立で貯蓄率を上げることには限界があります。家賃はある程度以下に下げられないし、食費や光熱費にも生活に支障のない最低ラインがあります。「これ以上は削れない」という状態になったとき、次の選択肢は収入を上げることです。

副業・転職・昇給交渉・スキルアップなど手段はさまざまですが、貯蓄率を本気で上げたいなら最後は収入の問題になります。固定費削減は「今すぐできること」、収入アップは「中長期の取り組み」。両方を並行して進めることが、長期的な資産形成の現実的な姿です。

貯蓄率が上がらない人によくある落とし穴

「手取りの何割を貯金すればいいかはわかった。でも実際には貯まらない」という方のために、よくある落とし穴を整理します。

落とし穴①:「余ったら貯金しよう」という発想

毎月末に「余ったお金を貯金しよう」と思っている人は、ほぼ確実に貯まりません。人間は使えるお金があれば使います。手取りの何割を貯金するかを先に決め、残りで生活する「先取り」の発想が唯一の解決策です。

落とし穴②:変動費の節約に集中しすぎる

「食費を月1万円削った」「外食を減らした」という努力は、精神的な疲労が大きいわりに効果が限定的です。一方、携帯料金を格安SIMに変える(月3,000〜5,000円削減)・不要な保険を解約する(月5,000〜2万円削減)などの固定費削減は、一度やるだけで毎月自動的に効果が続きます。貯蓄率を上げるには変動費の我慢より固定費の見直しが先です。

落とし穴③:生活防衛資金なしで投資している

手取りの何割を貯金するかを考えるとき、まず「生活防衛資金(月の生活費の3〜6ヶ月分の現金)」を確保することが前提です。これがない状態で全額を投資に回すと、急な出費が生じたとき含み損を抱えたまま投資を売却しなければならなくなります。生活防衛資金→先取り積立(貯蓄+投資)という順番を守ることが重要です。

落とし穴④:昇給しても積立額を増やさない

収入が増えると同時に生活水準も上がる「ライフスタイルインフレ」は、貯蓄率を上げる最大の敵です。昇給したら真っ先に積立額を増やす習慣を持つことで、手取りの何割を貯金するかという比率を維持できます。収入が増えるたびに生活費も増えていると、いつまでも貯蓄率が上がりません。

よくある質問

Q: 手取りの何割を貯金すれば優秀ですか?

収入によって変わります。手取り25万円なら10%超え、35万円台なら15%前後、50万円超なら20%以上が一つの目安です。日本の平均は11〜13%ですが、収入が高いほど貯蓄に回せる余地が増えるため、一律の基準ではなく自分の手取りと照らし合わせて判断することが重要です。

Q: 投資(NISA・iDeCo)は貯蓄率に含めていいですか?

はい、含めて考えることが重要です。NISAやiDeCoは将来の資産形成のための積立であり、銀行預金と同じく「今使わずに取っておくお金」です。投資と貯金を分けて考えると貯蓄率が低く見えてしまうため、合算した「実質的な貯蓄率」で管理するのが実態に即しています。

Q: 手取りが少なく、貯蓄が難しい場合はどうすればいいですか?

手取りが低い場合は、20%にこだわる必要はありません。まず固定費を削って余力を作り、無理なく続けられる貯蓄率を設定することが先です。その上で「もっと貯蓄率を上げたい」と思ったとき、固定費削減には限界があるため、転職・副業・昇給交渉など収入を上げる取り組みを並行して考えることが現実的な次の一手です。

まじめくん
まじめくん

手取りが低いと、どうしても貯蓄率って上がりにくいですよね。

てぬき所長
てぬき所長

そうです。だから最終的には収入を上げることが一番の近道です。

まとめ:手取りの何割を貯金すれば優秀か

  • 優秀な貯蓄率は収入によって変わる。手取り25万円なら10%超え・35万円台なら15%前後・50万円超なら20%以上が目安
  • 投資(NISA・iDeCo)も合算した「実質的な貯蓄率」で考えることが重要
  • まず固定費を削り、余力を先取り積立に回す。これが基本の順番
  • 固定費削減には限界がある。貯蓄率を本気で上げたいなら、最後は収入アップが必要
  • 「今の収入でできること」をやりながら、中長期で収入を上げる。この両輪で考える

貯蓄率は「高ければ高いほど偉い」という指標ではありません。今の収入で無理なく続けられる水準を設定し、固定費を削って仕組みを整えることが先です。その先に「収入を上げる」という選択肢が見えてきます。まずは自分の手取りと照らし合わせて、現実的な目標貯蓄率を設定するところから始めてみてください。

投資を始めるなら、まず口座を開設しよう

貯蓄率を上げる最短ルートは、先取り積立の自動化です。NISAやiDeCoの積立設定をすれば「先に貯めてから残りで生活する」仕組みが自動でできあがります。口座開設・維持費はすべて無料です。

※本記事は個人の体験・見解を述べたものであり、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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