※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。
この記事では、iDeCo 2026年 改正についてお話しします。「iDeCoに入っているけど、2026年の改正で何が変わるんだろう?」
「掛金の上限が上がるって聞いたけど、自分にはいつから適用されるの?」
こんな疑問を持っている会社員の方に向けて、2026年のiDeCo改正を整理しました。
結論から言うと、2026年は1月・4月・12月の3段階でiDeCoの制度が変わります。3つが改善・拡充、1つが注意が必要な「改悪」ポイントです。
筆者はNISAとiDeCoを3年以上並行して活用している会社員で、企業型DCに月5.5万円を積み立てながら運用しています。制度改正があるたびに公式情報を確認しながら対応してきました。
この記事を読めば、各改正の内容・施行時期・自分への影響をまとめて把握でき、次に何をすればいいかが明確になります。
iDeCo 2026年 改正:そもそもiDeCoとは?NISAと何が違うのかを1分でおさらい

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月自分で掛金を積み立てて運用し、老後に受け取る私的年金制度です。「イデコ」と読みます。掛金は全額所得控除になるため、積み立てるだけで確実に節税効果が得られます。
NISAと最大の違いは「所得控除」にある点です。NISAは運用益が非課税になる制度ですが、iDeCoは掛金を払った年の所得から控除されるため、所得税と住民税が安くなります。
たとえば月2.3万円(年27.6万円)を積み立てている場合の節税効果:
- 所得税率10%の場合(住民税10%と合わせて軽減率20%) → 年間約5.5万円の節税
- 所得税率20%の場合(住民税10%と合わせて軽減率30%) → 年間約8.3万円の節税
- 所得税率30%の場合(住民税10%と合わせて軽減率40%) → 年間約11万円の節税
収入が高いほど節税効果が大きくなるのがiDeCoの特徴です。所得税率の確認は源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄から逆算できます。
デメリットは、原則60歳になるまで引き出せないこと。生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)が確保できてから始めるべき制度です。また受け取り方によっては税金がかかります。今回の改正はこの受け取り時の税制にも影響しています。
NISAとiDeCoの使い分け・どちらを優先すべきかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ NISAとiDeCo、所得税10%以上の会社員はiDeCoを優先すべき理由
【2026年1月・施行済み】退職所得控除の「5年ルール」が「10年ルール」に変更
2026年1月1日から、iDeCoや企業型DCを受け取るときの税制ルールが変わりました。今回の4つの改正の中で唯一の「改悪」ポイントです。ただし影響を受けない人も多いため、自分が該当するかを確認することが重要です。
退職所得控除とは
退職金やiDeCoを一時金で受け取るとき、「退職所得控除」という大きな税優遇があります。勤続年数に応じた控除額が認められており、長年働いた方ほど控除額が大きくなります。
- 勤続20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円)
- 勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数−20年)
たとえば勤続30年の場合、800万円+70万円×10年=1,500万円まで非課税で受け取れます。これが「退職金は税金が安い」と言われる理由です。
5年ルールとは何だったのか
改正前は「iDeCoを一時金で受け取ってから5年以上空ければ、退職金にも満額の退職所得控除を使える」というルールがありました。
これを利用した節税の定石が「60歳でiDeCo一時金を受け取り → 65歳で退職金を受け取る」というパターンです。5年以上空くため、どちらにも満額の控除を適用できました。
2026年1月以降は「10年」に延長
この調整期間が10年に変わりました。
60歳でiDeCoを一時金で受け取った場合、70歳まで待たないと退職金に満額の退職所得控除が使えません。定年65歳で退職する場合は5年しか空かないため、退職金の控除が減額されます。
具体例を挙げると:勤続35年(控除額1,250万円)の方が60歳でiDeCo(残高500万円)を一時金受取し、65歳で退職金(2,000万円)を受け取るケースでは、iDeCo受取から5年しか経っていないため退職金の控除が調整(減額)されます。受取タイミング次第で数十万円単位の税負担の差が生じる可能性があります。
誰が影響を受けるか
影響を受けるのは「iDeCoを一時金で受け取り、その後10年以内に退職金も受け取る人」です。
- 60歳でiDeCo一時金受取 → 65歳で退職金受取(5年しか空かない → 退職金の控除が減額)
- 60歳でiDeCo一時金受取と退職金を同年に受取(→ 控除が重複して減額)
退職金を先に受け取ってからiDeCoを受け取る順番なら、退職金の控除は満額使えます。
対策:2つの方法
①受取順序を逆にする:退職金を先に受け取り、その後10年以上経ってからiDeCoを一時金受取すれば、どちらにも満額の控除を使えます。
②iDeCoを「年金形式(分割受取)」にする:毎年少しずつ受け取る方式にすると、所得の種類が「退職所得」から「雑所得」に変わります。退職金の退職所得控除との重複問題が発生しないため、10年ルールの影響を受けません。ただし毎年の雑所得として課税されるため、どちらが得かは残高・収入・受取期間によって異なります。
退職が近い方は必ず試算・FPへの相談を検討してください。
【2026年4月・施行済み】企業型DCのマッチング拠出制限が撤廃
2026年4月1日から、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している方向けに、マッチング拠出の制限が法律上撤廃されました。
マッチング拠出とは何か
マッチング拠出とは、会社が出す企業型DCの掛金に加えて、従業員が自分のお金を上乗せできる制度です。上乗せ分も所得控除の対象になるため、節税しながら老後資産を増やせます。
改正前後の変化
改正前は「従業員の掛金は会社の掛金を超えてはいけない」という制限がありました。会社が月1万円しか出していない場合、従業員も最大1万円しか上乗せできませんでした。
2026年4月以降は、法律上は会社の掛金額に関わらず拠出限度額の範囲内で自由に上乗せできます。2027年1月からは合計上限が6.2万円になり、さらに活用しやすくなります。
ただし、マッチング拠出の拡大実施には会社の規約変更が必要なため、実際の実施時期は会社ごとに異なります。まず勤務先の人事・総務に確認してください。企業型DCとiDeCoは原則として非併用のため、どちらを選ぶかも含めて確認が必要です。
マッチング拠出とiDeCo、どちらを選ぶ?
| 比較項目 | マッチング拠出 | iDeCo |
|---|---|---|
| 毎月の手数料 | 0円 | 約186円(2027年以降・楽天/SBI等) |
| 運用商品の選択肢 | 会社指定のラインナップのみ | 金融機関の全ラインナップから選択 |
| 同時加入 | iDeCoとは選択制(どちらか一方) | マッチング拠出とは選択制 |
| 利用条件 | 会社規約でマッチング拠出を認めている必要あり | 企業型DC加入者は原則加入可 |
| 節税効果 | 全額所得控除 | 全額所得控除 |
手数料0円の点ではマッチング拠出が有利です。月7,000円を20年積み立てる場合、iDeCoの手数料は累計約44,640円(年2,232円×20年)かかります。ただしマッチング拠出が使えるかは会社の規約次第なので、まず人事・総務に確認してください。
【2026年12月施行・2027年1月適用確定】掛金上限が月2.3万円→6.2万円に大幅引き上げ

今回の4つの改正でもっとも大きなインパクトがあるのが、この掛金上限の引き上げです。令和7年度年金制度改正法は2025年6月20日に成立・公布済みです。施行日は2026年12月1日、実際の掛金引落は2027年1月26日分からの適用となります。(出典:令和7年度年金制度改正法・厚生労働省)
誰がどれだけ増やせるか
| 加入者の種別 | 現行の上限(月) | 改正後の上限(月・2027年1月〜確定) |
|---|---|---|
| 会社員(企業年金なし) | 2.3万円 | 6.2万円 |
| 会社員(企業型DCのみ加入) | 2.0万円 | 6.2万円※ |
| 会社員(DB年金加入) | 2.0万円 | 6.2万円 |
| 公務員 | 2.0万円 | 6.2万円 |
| 自営業者(第1号) | 6.8万円 | 7.5万円※ |
| 専業主婦等(第3号) | 2.3万円 | 2.3万円(据え置き) |
※企業型DC加入者は「企業型DC掛金+iDeCo掛金の合計が月6.2万円以内」。自営業者は国民年金基金との合算が月7.5万円以内。(令和7年度年金制度改正法、2025年6月20日公布)
節税効果のシミュレーション(会社員・企業年金なし・所得税率20%=住民税と合わせ軽減率30%の場合)
| 比較項目 | 改正前(月2.3万円) | 改正後(月6.2万円・2027年1月〜) |
|---|---|---|
| 年間掛金 | 27.6万円 | 74.4万円 |
| 年間節税額(軽減率30%=所得税20%+住民税10%) | 約8.3万円 | 約22.3万円 |
| 10年間の節税総額 | 約83万円 | 約223万円 |
| 20年間の節税総額 | 約166万円 | 約446万円 |
月6.2万円まで増額した場合、改正前と比べて年約14万円の追加節税が可能です。20年間続ければ節税分だけで約280万円の差になります。運用益はその上に乗ってきます。
【実体験】企業型DC加入者のiDeCo枠:転職後に0円になった話
企業型DCの事業主掛金が高い会社ほど、逆にiDeCoの余地がなくなるという落とし穴があります。
筆者自身の経験でいうと、前職では企業型DC(事業主掛金月5,000円)との併用でiDeCoを使っていましたが、2024年の転職後に事業主掛金が月55,000円(5.5万円)になりました。現行ルール(合計上限5.5万円)では「5.5万円−5.5万円=0円」となり、iDeCoに拠出できる枠が消えました。制度上は加入していても、掛金を1円も出せない状態です。
令和7年度年金制度改正法の施行(2026年12月・2027年1月引落分から適用。改正法成立済み)で合計上限が6.2万円になると、この状況が変わります。筆者の場合:
- 合計上限(確定・2027年1月〜):6.2万円
- 企業型DC事業主掛金:5.5万円
- iDeCoに使える枠(2027年1月〜):6.2万円 − 5.5万円 = 月7,000円
月7,000円(年間84,000円)が所得控除になります。税率20%(住民税と合わせ軽減率30%)で試算すると年間約25,200円の節税効果(手数料控除前)、楽天証券iDeCoの手数料(月186円・年2,232円・2027年以降)を引くと実質年間約22,968円の節税になります。iDeCoの最低拠出額は月5,000円なので、7,000円は最低ラインを超えており口座開設する価値があると判断しています。
事業主掛金別のiDeCo使える金額の目安(改正後・2027年1月〜確定):
| 企業型DC事業主掛金(月) | iDeCo使える額(月・2027年1月〜) | 年間のiDeCo拠出額 |
|---|---|---|
| 1万円 | 5.2万円 | 62.4万円 |
| 2万円 | 4.2万円 | 50.4万円 |
| 3万円 | 3.2万円 | 38.4万円 |
| 4万円 | 2.2万円 | 26.4万円 |
| 5万円 | 1.2万円 | 14.4万円 |
| 5.5万円(最大値) | 7,000円 | 8.4万円 |
| 6.2万円以上 | 0円(変わらず) | − |
計算式:iDeCo上限(2027年1月〜)= 6.2万円 − 企業型DC事業主掛金
なお、企業型DCに「マッチング拠出」制度がある会社ではiDeCoと選択制です。マッチング拠出は手数料がかからないため(iDeCoは月186円程度・2027年以降)、利用できる場合は一般にマッチング拠出の方が有利です。まず会社の人事・総務に確認することをおすすめします。
掛金を増額するには手続きが必要
掛金の上限引き上げは自動では適用されません。2026年12月1日以降、加入先の金融機関(楽天証券・SBI証券など)のウェブサイトで掛金変更の手続きが必要です。手続き受付開始日は各金融機関のウェブサイトで順次案内される予定です。
まだiDeCoに加入していない方は、今のうちに口座開設を済ませておくとスムーズです。
【2026年12月施行確定】加入可能年齢が65歳未満→70歳未満に延長
2026年12月1日施行(確定・改正法成立済み)で、iDeCoへの加入可能年齢が現行の65歳未満から70歳未満に引き上げられます。
iDeCoの加入年齢は2022年に「60歳未満」から「65歳未満」に引き上げられ、今回さらに「70歳未満」まで拡大されます。政府が「長く積み立てられる老後資産制度」としてiDeCoを重視している流れの一環です。
改正前は65歳を超えるとiDeCoへの新規加入も、積み立ての継続もできませんでした。改正後は国民年金の被保険者であれば70歳未満まで掛金を拠出し続けられます。
また施行日から3年間の経過措置として、60歳以上70歳未満の方がiDeCoへ新規加入できる条件が緩和されます(老齢給付金を未受給であること・マッチング拠出を実施していないことが条件)。
30〜40代の現役世代への影響は?
直接的な影響は限定的ですが、将来的に「60代になっても働き続ける」可能性がある方にとっては朗報です。定年延長・再雇用後も積み立てを継続でき、長期運用のメリットがさらに大きくなります。
改正後のiDeCo:あなたは使うべき?タイプ別チェック
4つの改正を踏まえて、自分がiDeCoを積極的に使うべきか・注意が必要かを整理します。
iDeCoを積極的に使うべき人
- 課税所得が高い会社員(所得税率20%以上):節税効果が特に大きい。年収700万円以上の方は最優先で検討する価値がある
- 企業年金がない会社員:改正後は月6.2万円まで増額でき、NISAと合わせると最大限の税優遇を活用できる
- 退職金が少ない・ない人:10年ルールの影響が小さく、一時金受取がしやすい
- 自営業者・フリーランス:退職金制度がなく、iDeCoが老後資産形成の中心的役割を担う
注意が必要な人
- 60歳以降にiDeCo一時金受取 → 10年以内に退職金を受け取る予定の人:10年ルールの影響を受ける。受取順序・受取方法(一時金 vs 年金)を事前に設計しておく必要がある
- 生活防衛資金がまだ十分でない人:iDeCoは原則として途中引き出し不可。まず生活費3〜6ヶ月分の預貯金を確保してから始める
- 数年以内に大きな出費が予定されている人:住宅購入・結婚・教育費など、流動性が必要な資金はiDeCoに入れない
迷ったときの基本方針
まずNISAのつみたて投資枠(年間120万円)を優先し、余力があればiDeCoで追加の節税を積み増す、という順番が王道です。NISAを先に使うべき理由は、NISAは残高をいつでも引き出せる流動性があるからです。iDeCoは「引き出せなくてもいいお金」だけ入れるのが原則です。
よくある質問
Q: iDeCoの掛金上限引き上げはいつから適用されますか?
令和7年度年金制度改正法は成立済みで、2026年12月1日から施行、実際の掛金引落は2027年1月26日分からの適用です。自動適用ではないため、加入先の金融機関(楽天証券・SBI証券など)のウェブサイトで掛金変更の手続きが別途必要です。受付開始時期は各金融機関が順次案内する予定です。
Q: 2026年改正の「改悪」ポイントは誰に影響しますか?
60歳以降にiDeCoを一時金で受け取り、その後10年以内に退職金を受け取る予定の方に影響します。退職まで10年以上ある方や、退職金制度がない方への影響はほぼありません。受取順序を「退職金→iDeCo一時金」にすることで回避できます。
Q: まだiDeCoに未加入ですが、今から始める意味はありますか?
あります。2026年12月の掛金上限引き上げ前に口座開設を済ませておくと、改正後すぐに上限まで拠出できます。口座開設には1〜2ヶ月かかるため、今のうちに申し込みを進めておくのがおすすめです。節税効果は口座開設を早めるほど長く積み上がります。
Q: 企業型DCに加入していますが、iDeCoも使えますか?
企業型DC加入者は、事業主掛金の金額によってiDeCoに使える枠が変わります。現行ルール(合計上限5.5万円)では事業主掛金が多い会社ほどiDeCoの余地が小さくなり、5.5万円の会社ではiDeCo枠がゼロになります。2026年12月の改正(確定)で合計上限が6.2万円になると、事業主掛金5.5万円でも月7,000円のiDeCo枠が生まれます。自分の枠を計算するには「6.2万円 − 事業主掛金 = iDeCo上限」で確認してください。
まとめ:2026年iDeCo改正の早見表と次にやること
| 施行日 | 改正内容 | 種別 | 主な影響対象 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月1日(施行済) | 退職所得控除の調整期間 5年→10年 | 改悪 | iDeCo一時金後10年以内に退職金を受け取る人 |
| 2026年4月1日(施行済) | 企業型DC:マッチング拠出の上限制限撤廃(会社規約変更が必要) | 改良 | 企業型DC加入者(実施時期は会社による) |
| 2026年12月1日(確定) | 掛金上限が最大月6.2万円に引き上げ(2027年1月引落分〜) | 改良 | 全加入者 |
| 2026年12月1日(確定) | 加入可能年齢を70歳未満まで延長 | 改良 | 60代で働く方 |
出典:令和7年度年金制度改正法(2025年6月20日公布)・厚生労働省・財務省「令和7年度税制改正」
次にやること(アクションリスト)
- iDeCo未加入の人:楽天証券かSBI証券で口座開設を検討する。改正後の恩恵を最大限受けるには今から準備しておくのがベスト
- iDeCo加入中の人:2026年12月以降に加入先の金融機関で掛金変更手続きを確認する
- 企業型DC加入者(事業主掛金が5.5万円未満の人):「6.2万円 − 事業主掛金」でiDeCo枠を試算し、マッチング拠出(会社規約で対応している場合)と比較して有利な方を選ぶ
- 退職が近い人(10年以内):退職金とiDeCoの受取タイミング・受取方法(一時金 vs 年金)を事前に試算・FP相談する
iDeCoの口座開設は以下から申し込めます(口座開設・維持費無料)。開設には1〜2ヶ月かかるため、早めの申し込みをおすすめします。
iDeCoはNISAと並ぶ最強の節税ツールです。今回の改正で「使いにくかった部分」が大幅に改善されます。まだ口座を持っていない方は、改正が本格化する前の今から準備しておきましょう。
※本記事は個人の調査に基づく情報提供を目的としており、投資の勧誘・特定の金融商品の推奨を目的とするものではありません。iDeCoに関する制度内容は変更される場合があります。掛金上限額・施行日など詳細は各金融機関の公式サイトや厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。本記事の内容に基づいて行った投資・運用の損益について、筆者は一切の責任を負いません。




コメント