投資しないとどうなる?インフレで現金が目減りする金額を計算した

お金の教養

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インフレ 投資しない どうなる?」と気になっている方のために、2026年の実際のインフレ率をもとにシミュレーションしました。インフレが続いているのはなんとなくわかるが、投資は怖いし、利上げで預金金利も上がってきたし現金のままでもいいのでは…と思っていませんか。

結論から言います。インフレ時代に「何もしない」は、リスクのない選択ではありません。むしろ現金を持ち続けることで、確実にお金の実質価値が下がっていく状況です。

この記事では2026年3月時点の日本のインフレ率(生鮮食品除くCPI:前年比+1.8%)をもとに、現金のみで持ち続けた場合に10年・20年でどれだけ損するかをシミュレーションします。自分自身はNISAでS&P500を毎月積み立てており、投資を始めた理由もこのシミュレーションを自分でやってみたことがきっかけでした。「何もしないことのコスト」を数字で把握してほしいというのが本旨です。

投資しないとどうなる?インフレでお金の価値が下がる仕組みを整理する

インフレ投資しないどうなるのイメージ

まじめくん

インフレって、具体的にどれくらいお金が目減りするんですか?

てぬき所長

てぬき所長

年2%なら、1,000万円が20年後に実質668万円の価値になります。

まず「インフレ」とは何かを確認します。インフレとは物価が上がり続けることです。モノが高くなるということは、裏返せば「同じ金額で買えるものが減る」=お金の価値が下がることを意味します。

たとえば100円のコーヒーが毎年2%ずつ値上がりすると、10年後には122円になります。あなたの財布には100円がそのままあっても、同じコーヒーが買えなくなっています。これが「お金の実質的な価値が下がる」ということです。2022年以降、食費・電気代・ガソリン代が上がり続けている感覚の正体は、まさにこれです。

銀行の普通預金に入れておけば金利がつくので価値が下がらない、と思う方もいるかもしれません。しかしここが問題の核心で、金利がインフレ率を下回っている限り、お金の実質価値は下がり続けます。

cash coins wallet

インフレで損するのは「動かさないお金」だけ

重要なのは、インフレが資産のすべてに均等にダメージを与えるわけではないという点です。

  • 現金・預金:インフレに弱い。金利でカバーできない分、実質価値が目減りする
  • 株式・インデックスファンド:企業の売上・利益もインフレとともに上がる傾向がある。長期ではインフレを上回るリターンを出しやすい
  • 不動産:物価上昇とともに資産価値も上がりやすい。ただし流動性が低く、まとまった資金が必要

インデックス投資が「インフレ対策」として機能する理由は、株式の裏側にある企業が値上げをしながら利益を出し続ける仕組みを持っているからです。現金だけを持ち続けるのは、インフレという静かな「税金」を払い続けているようなものです。

2026年の日本のインフレ率と、現金を持ち続けた場合の損失シミュレーション

2026年3月時点で、日本の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年比+1.8%です(総務省統計局発表)。2022〜2023年の急上昇から落ち着いてきてはいるものの、コロナ前のゼロ近辺とは全く違う水準が続いています。

ここでは「今後も年2%のインフレが続く」という保守的な前提でシミュレーションします。日銀の物価目標も2%です。2%というと小さく感じますが、複利で積み重なると無視できない額になります。

元本(現金保有) 10年後の実質価値 20年後の実質価値 30年後の実質価値
100万円 約82万円(損失18万円) 約67万円(損失33万円) 約55万円(損失45万円)
500万円 約409万円(損失91万円) 約334万円(損失166万円) 約273万円(損失227万円)
1,000万円 約817万円(損失183万円) 約668万円(損失332万円) 約545万円(損失455万円)

出典:総務省統計局 消費者物価指数をもとに年率2%で試算

インフレ率2%で計算すると、現金1,000万円は何もしなければ10年後に実質817万円の価値になります。数字にしてみると、「何もしない」で183万円分の価値が静かに消えることがわかります。30年ほったらかすと455万円の損失です。

この「実質損失」はどこかに消えるわけではなく、インフレで値上がりした分だけ「同じお金で買えるものが減る」という形で現れます。家計で感じている食費や光熱費の上昇が、まさにこれです。

「利上げで預金金利が上がったから大丈夫」は本当か?

2026年5月時点、日銀の政策金利は0.75%まで上昇し、メガバンクの普通預金金利も0.3%、ネット銀行は0.75%程度まで改善しました。「金利が上がったから現金保有でも大丈夫」と感じている方も多いと思います。

しかし実質利回り(インフレ率を差し引いた実質的なリターン)で見ると、話は変わります。

預け先 金利(2026年現在) 実質利回り(インフレ1.8%控除後)
メガバンク普通預金 0.3% −1.5%
ネット銀行普通預金 0.75% −1.05%
メガバンク1年定期 0.4% −1.4%

利上げで金利が上がっても、インフレ率には追いついていません。現時点では「現金で持つ=毎年1〜1.5%ずつ実質的に目減りしている」状況です。ネット銀行の高金利口座に置くのは正解ですが、それだけでインフレに勝てるわけではありません。

月5万円を20年間積み立てた場合と現金保有の差を比較する

investment savings growth

「投資しない=損」がわかったとして、実際に積み立て投資をした場合と現金保有でどれだけ差がつくかを見てみます。月5万円を20年間積み立てた場合の比較です。

積立方法 元本(20年間) 20年後の資産(概算) 元本との差額
現金のみ(タンス預金) 1,200万円 1,200万円(名目) 0円(実質購買力は目減り)
ネット銀行普通預金(0.75%) 1,200万円 約1,294万円 +94万円
NISAでS&P500積立(年利6%想定) 1,200万円 約2,310万円 +1,110万円
まじめくん

まじめくん

ネット銀行とNISAで1,000万円以上の差…!?

てぬき所長

てぬき所長

これが複利の力です。始めるのが10年遅れると差は3分の1になります。

年利6%という数字はS&P500の長期平均リターン(年7〜8%)から手数料を差し引いた保守的な見積もりです。過去の実績であり将来を保証するものではありませんが、長期インデックス投資の参考値として広く使われています。

ネット銀行と比べても差額は1,016万円。20年間で約1,000万円の差がつく計算です。この差を「投資のリターン」と呼ぶと難しく聞こえますが、正確には「毎月5万円を20年間、インフレを上回る資産に置いておくことで得られる複利の効果」です。早く始めるほど複利の恩恵が大きくなります。

少額からでも意味はある

月5万円が難しい場合でも、月1万円・月3万円から始めることができます。月3万円で20年間積み立てた場合の試算(年利6%)では、元本720万円に対して約1,386万円まで育つ計算です。差額は666万円。金額が少なくても「インフレに負けない場所にお金を置く」という構造自体は変わりません。

「少額すぎて意味ない」ではなく、「少額でも今すぐ始める方が、大きな額を後から始めるより有利」というのが複利の本質です。

「投資はリスクが怖い」への正直な回答

投資に踏み出せない最大の理由は「損するのが怖い」という感情だと思います。この感情は正当です。しかし「現金で持つことにリスクがない」という前提も、実は正確ではありません。

  • インフレリスク:現金を持ち続けることで実質価値が下がる(すでに示した通り)
  • 機会費用:投資して得られたであろうリターンを得られない損失

「投資する」か「しない」かは、「リスクを取るか取らないか」の選択ではなく、「どのリスクを取るか」の選択です。現金を持ち続けることは「インフレリスクを確実に取り続ける」という選択です。

長期インデックス投資の「暴落リスク」の現実

S&P500は過去に何度も大きな暴落を経験しています。2008年のリーマンショックでは約56%下落し、2020年のコロナショックでは約34%下落しました。しかしいずれも数年以内に回復し、長期では右肩上がりの軌跡をたどっています。

過去のデータでは、S&P500に15年以上投資した場合、損失で終わった期間はほぼありません。もちろん過去の実績が未来を保証するわけではありません。ただ「長期・積立・分散」という前提でインデックスファンドを保有し続けることのリスクは、一般に思われているほど高くないというのが長期投資の基本的な考え方です。

暴落が怖いなら、「一括投資」ではなく「毎月定額の積立」を選べばいい。積立なら暴落局面は「安くたくさん買えるチャンス」として機能します(ドルコスト平均法)。「暴落が怖い」は積立投資をやめる理由にはなりません。

インフレ時代に投資しない人が陥りがちな3つの誤解

「投資しない」という選択には、いくつかよくある誤解が伴っています。整理しておきます。

誤解①「まとまったお金ができたら始めよう」

これが最もよくある先送りパターンです。50万円貯まったら、100万円になったら、ボーナスが入ったら…と条件をつけているうちに、何年も経ってしまいます。しかしNISAの積立投資はNISA口座があれば月100円から始められます。

「まとまったお金」を待つことの本当のコストは、複利を得られなかった期間です。月3万円でも、5年早く始めると20年後の資産額が100万円以上変わることがあります。「始める条件を整えてから」ではなく、「始めながら条件を整える」発想が複利の時間を最大化します。

誤解②「今は相場が高いから暴落を待ってから始めよう」

相場の「天井」と「底」を正確に当てられる人は、プロの投資家でもほとんどいません。個人投資家が「暴落後の底値で買う」という戦略をとろうとすると、底を過ぎてから気づき、高値で買うという結果になりがちです。

長期積立の場合、「今が高い」かどうかはあまり関係ありません。毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法では、相場が高いときは少ない口数、低いときは多い口数を買うことになり、平均取得単価が自然に平準化されます。「タイミングを読む」より「早く始めて長く続ける」方が、歴史的には成果が出やすいです。

誤解③「NISAは老後のためのもので、自分にはまだ早い」

NISAに年齢制限はありません。また「老後のため」という目的でなくても使えます。10年後の大きな買い物、子供の教育資金、単純な資産形成など、目的は何でもいいです。むしろ若いうちに始めるほど複利の期間が長くなるため、「今の自分には早すぎる」という発想こそが機会損失の原因になります。

インフレ時代に自分が実際にやっていること

自分(会社員)の場合、毎月NISAでS&P500インデックスを積み立てています。銘柄は楽天・プラスS&P500インデックスファンド一本で、余剰資金はすべてここに回す方針です。

投資を始めた理由はシンプルで、「貯金だけでは老後のお金が足りない計算になった」からです。毎月コツコツ貯金しても、インフレで実質価値が下がっていくなら、普通に働いて貯金するだけでは逃げ切れないと判断しました。最初に気づいたのは、この記事に書いたようなシミュレーションを自分でやってみたときです。

生活防衛資金(生活費6ヶ月分)はメインの楽天銀行に置き、それを超えた余剰資金はNISAに回すという構造にしています。楽天銀行にしているのは金利が高いからではなく、給与受取・日常決済でもともと使っていて管理がしやすいからです。高金利を追いかけると金利改定のたびに口座を変え続けることになり、それ自体が手間になります。シンプルに「使っている口座に置く」だけで十分という考え方です。「現金もゼロにしない・投資もゼロにしない」の両立です。

まず最初にやること:証券口座を開く

投資を始めるにあたって、最初のハードルは「口座開設」です。自分は楽天証券を使っており、スマホで完結でき手続き自体は思ったより簡単でした。どの証券会社にするか迷っている場合はNISA証券口座6社比較記事も参考にしてください。楽天証券の口座開設手順はこちらで詳しく解説しています。

NISAで何を買っているかの詳細はこちらにまとめています。

口座選びに迷っている場合、松井証券は100円から始められてポイント還元率が高く、マネックス証券は米国株の取扱が豊富でdカード積立が充実しています。いずれも口座開設・維持費は無料です。

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よくある質問

Q: インフレで投資しないとどうなる?損失の目安は?

年2%のインフレが続くと、現金1,000万円は20年後に実質668万円の購買力になります。332万円分の価値が「使わずに消える」計算です。2026年3月のCPI(生鮮食品除く)は前年比+1.8%であり、この水準が続く前提では、現在の預金金利だけでは実質損失を防げません。

Q: 投資が怖い場合、まず何から始めればいい?

NISAで月1,000円の積立から始めるのがおすすめです。まず証券口座を開設して積立設定をするだけ。あとはほったらかしでOKです。インデックスファンドは購入後に何もしなくていいため、投資の手間は口座開設時の数十分だけです。少額でも「仕組みを作る」こと自体に意味があります。

Q: 利上げで預金金利が上がっているのに、まだ投資が必要ですか?

金利がインフレ率を上回っていない限り、実質的な目減りは止まりません。2026年現在、ネット銀行の金利は0.75%ですが、インフレ率は1.8%です。実質利回りは−1.05%のまま。金利がインフレ率を継続的に上回る水準になるまでは、預金だけでは実質的な価値を守れません。

まとめ:インフレ 投資しない どうなるかを数字で整理した

まじめくん

まじめくん

まず口座開設してみます!

てぬき所長

てぬき所長

それだけでOKです。あとは積立設定して放置するだけ。

  • インフレ2%が続くと、現金1,000万円は20年後に実質668万円の価値になる(損失332万円)
  • 2026年3月の日本のCPI(生鮮食品除く)は前年比+1.8%。預金金利0.75%では実質マイナス
  • 月5万円を20年間NISA積立(年利6%)すると約2,310万円。現金のみとの差は約1,110万円
  • 「投資しない」は「リスクゼロ」ではなく、インフレリスクを確実に取り続けている状態
  • 長期インデックス積立は「15年以上で歴史的に損失なし」というデータがある(将来保証ではない)
  • まずやることは証券口座の開設だけ。投資額は少額から始めればいい

「投資が怖い」という感情はよくわかります。自分も最初はそうでした。しかし「何もしない」が安全という感覚は、インフレという見えにくいリスクを無視した錯覚です。

怖いから何もしない、ではなく、リスクを理解した上で自分に合ったペースで始める。その第一歩として、まず口座を持つだけでも意味があると思っています。


※ 本記事のシミュレーション数値は将来の運用成果を保証するものではありません。インフレ率・投資リターンはあくまで過去実績・公的目標値をもとにした試算です。投資判断はご自身の責任でお願いします。本記事は特定の金融商品・投資行動を推奨するものではありません。

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