こんにちは、てぬき最適化ラボ管理人です。
今日は黒歴史の話をします。
結論から言います。私は自動車ローンで、約280万円を溶かしました。7年間、毎月コツコツ払い続けた結果がこれです。しかも、残クレ(残価設定型クレジット)という仕組みをほとんど理解しないまま契約していたので、自分でも気づいていませんでした。
さらに言うと、その7年間に払い続けたお金をS&P500インデックスファンドに投資していたとしたら、今ごろ約420万円になっていた計算です。
この記事では、私が実際にやらかした「新車×残クレ×改造」という三重苦の話をします。同じ失敗をしてほしくないので、残クレの仕組みや、新車を買う前に考えてほしいことも一緒にまとめました。なお、登場する数字は一部推定を含みます。実際の契約内容の記録が手元にないため、当時の記憶と一般的な残クレの条件をもとに計算しています。
ちなみに、「しくじりシリーズ」の前回は保険の話を書きました。【しくじり】保険で10年・総額200万円を捨てた話と全解約した理由です。お金の知識がなかった頃の失敗を、順番に記録しています。
結論:新車×残クレの組み合わせは、資産形成の敵だった

まず、この記事の結論を最初に言います。
私が2014年から2021年にかけてやったことは、簡単に言うと「残クレの仕組みをよくわからないまま新車を買い、改造して、売るときに価値を自ら下げた」という話です。そして2022年には懲りずにまた新車を買い、2年で売りました。
結果として、2台の車に費やしたお金は、投資に回していればはるかに豊かになれたものでした。特に残クレには、知らないと損をする「罠」が隠れています。
| 項目 | 実際にやったこと | 今ならやること |
|---|---|---|
| 車の種類 | 新車 | 3〜5年落ちの中古車 |
| 支払い方法 | 残クレ | 現金か銀行ローン |
| 購入後 | 改造しまくった | ノーマルで乗る |
| 差額の使い道 | なし | S&P500に積立 |
1台目:アクセラ270万円を残クレで買って改造しまくった話

2014年、私は新卒数年目の会社員でした。初めてのマイカーとして選んだのが、マツダのアクセラ。新車価格は約270万円です。
ディーラーで「マツダスカイクレジット」という残価設定型のクレジットを勧められ、月々の支払いが抑えられるということで即決しました。当時の私は残クレがどういう仕組みかをほとんど理解していませんでした。ただ「月々3万円くらいで乗れる」という数字だけ見て契約した記憶があります。
新車なのに改造して価値を下げた
また、当時の私はカーカスタマイズにはまっていました。新車を買ったにもかかわらず、あれこれパーツを変えて、気づいたら市場価値をどんどん下げていました。改造車は査定額が下がります。カスタムパーツに使ったお金は当然戻ってきません。
つまり、新車の価値を自分で下げながら、ローンは払い続けるという状況をわざわざ作っていたわけです。今思うと、何をやっていたんだという話ですが、当時はそういう発想が一切ありませんでした。
ボーナス月は10万円、それでも7年かかった
通常月は約3万円、ボーナス月(年2回)は10万円を入れていました。それでも完済まで7年かかっています。内訳は残クレ5年+残価部分を再ローンして2年です。
7年間の支払いを推定で計算すると、通常月10ヶ月×3万円+ボーナス月2回×10万円=年間50万円。5年間で250万円。そこに残価(推定108万円)の再ローン2年分が加わり、合計約326万円の支払いになります。7年後に売ったときの査定額は、改造が祟って推定40万円程度。つまり約280万円が消えた計算です。
残クレの仕組み——「月々安い」の裏にあること

ここで残クレの仕組みを整理します。残クレ(残価設定型クレジット)とは、契約時にあらかじめ「数年後の下取り価格(残価)」を設定しておき、その残価を差し引いた金額だけを分割払いするローンのことです。
例えば、270万円の車で残価を108万円に設定した場合、分割払いの対象は270万−108万=162万円になります。そのため月々の支払いは安く見えます。これがディーラーがよく使うセールストークの根拠です。
知らないと損をする「金利の計算方法」
しかし、ここに大きな落とし穴があります。金利は分割払い対象の162万円ではなく、残価を含めた270万円全体にかかります。つまり、月々の支払いは少なくて済むように見えて、利息は車両価格全体に対して発生しているのです。
これは知らないと大きな損です。「分割金額が少ないから利息も少ない」と誤解しやすい構造になっています。当時の私は完全にこの誤解をしていました。残クレの金利の計算方法については、三菱UFJ銀行の解説ページにわかりやすくまとまっています。
残価は「戻ってくるお金」ではない
さらに、5年後の残価の扱いにも注意が必要です。残価分は「後払いにしているだけ」であって、消えるわけでもなく、戻ってくるわけでもありません。5年後に選べる選択肢は以下の3つです。
- 新しい車に乗り換える(残価を下取り価格として充当)
- 残価を一括で払って乗り続ける
- 残価を再ローンして乗り続ける
私は3番目を選びました。つまり、残価108万円(推定)をさらにローンで払い続けることにしたわけです。結果として7年間ローンを払い続けることになりました。ディーラーにとっては理想的なサイクルで、ユーザーにとっては「常にローンがある状態」が続くだけです。
7年間で消えた約280万円。S&P500に入れていたら?

7年間のローン総支払額は約326万円(推定)、売却代金は約40万円(推定)。差し引きで約280万円が消えました。
では、もしこのお金をローン返済ではなくS&P500インデックスファンドに積み立てていたら、どうなっていたでしょうか。
月平均約3.9万円(年間支払額を12で割った計算)を7年間、年利7%(S&P500の長期平均リターン)で積み立てると、約420万円になります。元本に対して140万円以上の運用益が出ていた計算です。
| 実際(車のローン) | もしS&P500に積立していたら | |
|---|---|---|
| 7年間の支払い総額 | 約326万円 | 約326万円(元本) |
| 手元に残ったもの | 売却価格 約40万円 | 約420万円 |
| 差額 | 約280万円のマイナス | 約94万円のプラス |
もちろん、車が必要だったのは事実です。「全部投資に回せた」というわけではありません。しかし、新車ではなく中古車にして、残クレではなく現金か銀行ローンで買っていれば、少なくとも差額の一部は投資に回せていました。お金の勉強をしてから振り返ると、この7年間の判断がいかに非効率だったかがよくわかります。
2台目:ジープ レネゲードでも繰り返した

アクセラを売った後、2022年に今度はジープのレネゲードを新車で購入しました。
今度は「反省を活かしたつもり」でした。残価を1万円に設定(実質フルローン)、頭金を150万円入れ、4年ローンを組みました。前回よりはマシな組み方です。しかし、根本的な問題——「新車を買う必要があるのか」——には目を向けていませんでした。
ちなみに、レネゲードを選んだ理由は「かっこよかったから」です。それだけです。SUVが流行していたのと、ジープというブランドへの憧れがありました。逆に言えば、合理的な理由は何もありませんでした。お金の勉強を始める前の自分にとって、車は「移動手段」ではなく「ステータス」だったのかもしれません。
転職で2年後に売ることになった
しかし、転職を機に生活スタイルが変わり、購入から2年後に売却することになりました。頭金150万円を入れていましたが、2年で売れば当然ローン残高と売却価格の差が問題になります。
ちょうどこの頃にお金の勉強を本格的に始めました。「新車を買いながらNISAで投資しようとしている」という矛盾に、ようやく気づいた時期でもあります。逆に言えば、もっと早く気づいていれば1台目の判断も変わっていたはずです。
2台通じての教訓
特に気づいたのが「車の所有コスト」の大きさです。ローンの返済だけでなく、自動車税・任意保険・車検・ガソリン・駐車場といった維持費が毎年かかります。これらを合わせると、車1台の年間コストは100万円を超えることも珍しくありません。
なお、ローン以外のコストについては今回の計算に含んでいません。含めると「消えたお金」はさらに大きくなります。
そもそも新車じゃないといけなかったのか

今の自分に問いかけると、答えは明確です。新車である必要は、まったくなかった。
車の価値は、購入した瞬間から急落します。新車で買った直後に中古車市場に出せば、即座に数十万円以上の差が生まれます。特に、購入後3年以内に売る可能性が少しでもあるなら、新車は選択肢として非常に非効率です。
また、私のケースでは改造という要素も加わりました。新車を買って改造する、という行為は「高いお金を払ってさらに価値を下げる」という二重の非効率です。逆に言えば、改造前提ならなおさら中古車の方が合理的でした。
さらに、残クレで新車を買い続けると「常にローンがある状態」が維持されます。前の車のローンが終わる頃に新しい車を買い、また残クレを組む——これがディーラーにとっての理想的なサイクルです。しかし、買う側から見れば資産が全く積み上がらないまま支払いだけが続く状態です。
今の自分なら車をこう買う
現時点での私の結論は以下のとおりです。
- 新車は買わない:3〜5年落ちの中古車で十分。価格差を投資に回す
- 残クレは使わない:月々の安さに騙されない。金利は全額にかかる
- 改造はしない:査定額を自ら下げるだけ
- 「本当に必要か」を先に考える:車がなければ生活できない地域かどうかを最初に確認する
- 現金か銀行ローンを使う:ディーラーローンは金利が高い。どうしても必要なら銀行のマイカーローン(年1〜4%程度)を使う
特に、S&P500インデックス投資を軸にした資産形成をしている人には、残クレのような高コストな借り入れは相性が最悪です。投資で年7%のリターンを目指しながら、年3〜8%の金利を払っているのでは、足を引っ張り合うだけです。
同じ視点で言えば、保険も見直す価値があります。私がやらかした保険のしくじりはこちらの記事に書いています。車と保険、この2つを見直すだけで、毎月数万円が浮いてくることも珍しくありません。
まとめ:残クレで新車を買う前に知ってほしいこと
この記事でお伝えしたかったことをまとめます。
- 残クレは「月々の支払いが安く見える」だけで、金利は車両価格全体にかかる
- 残価は「後払い」であって、消えるわけでも戻るわけでもない
- 新車は買った瞬間に価値が下がる。売る可能性があるなら中古車の方が合理的
- 改造は査定額を下げるだけ
- 私の場合、7年間で約280万円が消えた。同じお金を投資に回していたら約420万円になっていた(推定)
もちろん「車は生活必需品」という方もいます。必要なものを買うこと自体は全く問題ありません。ただ、残クレの仕組みを理解した上で選ぶのと、理解せずに月々の支払い額だけ見て選ぶのでは、長期的に大きな差が生まれます。
過去の私に届けばよかったと思いながら、この記事を書きました。同じしくじりをしてほしくない方の参考になれば嬉しいです。
なお、車を見直した後に浮いたお金の使い道として、NISAでの積立投資をおすすめしています。具体的な始め方は投資を始めたきっかけと経緯にまとめていますので、合わせて読んでみてください。
※この記事に登場する金額・計算はすべて実体験をもとにした推定値を含みます。実際の費用は契約内容や市場状況により異なります。また、S&P500の運用結果は過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。


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