現金150万円だけ守って残りは全部投資する、私のシンプルな投資方針

資産運用

こんにちは、てぬき最適化ラボ管理人です。今日は私の投資方針を全部公開します。

先に結論を言います。私の投資方針は3行で書けます。①現金を150万円(生活費6ヶ月分)だけキープする、②残りは全部S&P500に投資する、③市場の状況に対して何もしない。以上です。

「シンプルすぎて参考にならない」と思うかもしれません。しかし、この方針に行き着くまでには3年以上かかっています。高配当株・優待株・ETF・IPOとひと通り手を出し、ほとんどの戦略を試したうえで「やらないこと」を絞り込んできた結果がこれです。

この記事では、「なぜ比率ではなく絶対額で現金を管理するのか」「なぜ暴落しても何もしないのか」「なぜコア・サテライト戦略を使わないのか」を解説します。投資方針を決めようとしている方、なんとなく複数の戦略を組み合わせて迷子になっている方に読んでもらえると嬉しいです。

私の投資遍歴については投資を始めたきっかけに詳しく書いています。先にそちらを読んでもらうと、この記事の背景がより伝わると思います。

私の投資方針は3行で書ける

投資方針のイメージ

まず、投資方針を3行でまとめるとこうなります。

方針 内容
現金を150万円キープ 生活費6ヶ月分を絶対額で管理。150万円を下回ったら特定口座から売却して補填
残りは全部S&P500 楽天プラスS&P500(メイン)+eMAXIS Slim S&P500(旧NISA分)。月30万円を積立
市場に何もしない リバランスなし。コア・サテライトなし。暴落しても何もしない

投資比率でいうと現金1:投資9くらいです。ただし、比率は意識していません。現金の絶対額(150万円)だけを管理していて、それを下回ったら特定口座のファンドを売って補填する。それだけです。

現在の運用資産は約1,500万円(2026年4月時点)。毎月30万円を積み立て続けた結果がこの数字です。特別なことは何もしていません。

積立の仕組みはシンプルです。毎月の給与から約25万円を拠出します。残り5万円分は、現金が150万円を下回った月に特定口座のファンドを売却して補填します。NISAの積立枠(月10万円)はこの30万円の中に含まれています。相場が上がっていても下がっていても、毎月同じ金額を入れ続けるだけです。判断が必要な場面はほぼありません。

「月30万円も積立できるの?」と驚かれることがあります。給与の手取りをほぼそのまま投資に回しているので、生活費は別の収入源や節約でカバーしています。保険の見直し・固定費削減など、支出を下げる努力も並行してやってきた結果です。支出の話は別記事で書いているので、気になる方はしくじり・保険編もどうぞ。

「現金の比率」ではなく「現金の絶対額」で管理する理由

投資方針 現金管理 hand putting coin into piggy bank

多くの投資家は「現金比率を20%保つ」「リスク資産80%・安全資産20%」のように比率で管理します。しかし私は現金の絶対額しか管理していません。

比率管理の問題点

比率で管理すると、資産が増えるほど現金も増えます。例えば「現金10%を維持する」と決めた場合、資産1,000万円なら現金100万円、資産2,000万円なら現金200万円を持ち続けることになります。

さらに、この追加された100万円の現金は市場に晒されていないので、その間の機会損失になります。資産が増えれば増えるほど「眠らせているお金の量」が増えていく構造です。長期投資においてこの機会損失は馬鹿になりません。

絶対額管理のシンプルさ

一方、絶対額管理は単純です。「150万円ある→問題なし」「140万円になった→特定口座のファンドを売って補填」。これだけです。

なお、150万円という数字の根拠は、生活費6ヶ月分です。私の月の生活費はおよそ25万円なので、25万円×6ヶ月=150万円。管理しやすいようにキリよく決めました。「いざとなれば半年は無収入でも生きていける」という安心感があれば、残りは全部投資に回していいと判断しています。

絶対額管理のメリットはもう一つあります。資産が増えても現金量が変わらないため、投資に回せるお金の割合が自動的に上がります。つまり、資産形成が進むほど自動的に積極的な運用になる仕組みです。意図してそうしているわけではありませんが、長期的に見ると合理的だと感じています。

市場が下がっても上がっても何もしない理由

投資方針 market volatility investment trading graph

私の投資方針の中で、おそらく一番重要なのがこれです。市場の状況に対して何もしない。

相場が下がったから売る。暴落したから買い増す。利確して待機する。こういった「市場へのリアクション」を一切やりません。やってはいけないと考えています。

暴落待機資金を持つのは「タイミング投資」と同じ

特に、「暴落したときに一気に買えるように現金を多めに持っておく」という考え方があります。一見合理的に見えますが、これはタイミング投資です。

しかし、暴落のタイミングは誰にもわかりません。「いつか下がるはず」と待ち続けている間にも市場は上がり続けることがあります。待機資金を持っている間は、その分の機会損失が発生し続けます。

統計的には、余剰資金はすぐに市場に晒した方が長期的な勝率が高いことがわかっています。これは後述する「JUST KEEP BUYING」に詳しく書かれており、私がタイミング投資を完全にやめたきっかけの一つです。「今は高い気がする」「もう少し待とう」という感覚は、長期的には投資パフォーマンスを下げる方向に働きます。

感情でリアクションしないために投資方針を決めておく

とはいえ、下がったら不安になるのは当然です。私も相場が大きく動いたときは「売った方がいいのか」と頭をよぎることがあります。しかし何もしませんでした。結果として正解でした。

重要なのは「感情でリアクションしないこと」です。投資方針をあらかじめ決めておくのは、そのためです。「下がっても何もしない」と事前に決めておけば、感情が揺さぶられても行動を止められます。ルールがなければ、感情に負けます。

コア・サテライト戦略を使わない理由

私がコア・サテライト戦略を使わない理由はシンプルです。「攻めたいなら、まず現金比率を下げればいい」と考えているからです。この戦略を組む前に、もっと単純な方法でリスクをコントロールできます。

コア・サテライト戦略とは、資産の大部分(コア)をインデックスファンドなどの安定した投資先に置き、残りの一部(サテライト)を個別株やナスダックなどのハイリスク・ハイリターンな商品に充てる戦略です。「守りのコアで安定させながら、攻めのサテライトでリターンを上げる」という考え方で、投資ブログやYouTubeでよく紹介されています。しかし私は懐疑的です。

攻めたいなら、まず現金比率を下げればいい

コア・サテライトで「攻め」を実現しようとする前に、一つ考えてほしいことがあります。現金の比率を下げるだけで、十分にリスクを取れるはずです。

例えば、現金20%・コア(S&P500)70%・サテライト(ナスダック等)10%という構成より、現金10%・S&P500 90%の方がシンプルで、管理コストも低い。リターンの期待値も大きく変わりません。

それでも「もっとリターンを追いたい」という場合は、現金比率をさらに下げるか、ナスダックや個別株に投資することは理解できます。しかし私はその段階まで現金を下げられないので、サテライト投資はやりません。現金150万円が私にとっての下限です。

ポートフォリオが複雑になればなるほど、管理・把握・リバランスのコストが増えます。シンプルに保つこと自体が、一つの戦略です。

「市場を見るな」と言いながら毎日マネーフォワードを見ている

ここまで「市場に反応するな」「タイミング投資はやめろ」と書いてきましたが、正直に言います。私は毎日マネーフォワードを開いて資産の増減を確認しています。

下がっていれば「うーん」と思うし、上がっていれば「お」と思います。一喜一憂しています。それが今の課題でもあります。

しかし、ここが大事なのですが、「見ること」と「反応すること」は別の話です。

見るだけなら問題ない。動いたら問題

数字を確認するのは悪いことではありません。資産の状況を把握しておくのは必要なことです。問題は、その数字を見てポートフォリオを動かすことです。

要するに、下がったから売る、上がったから利確する、暴落に備えて現金を増やす——こういった「見た結果の行動」が投資パフォーマンスを下げます。逆に言えば、見るだけなら何も起きません。

私は毎日確認しますが、その結果は「今日も変わらず積立中」で終わります。本当は見ない方がストレスは少ないとわかっています。それでも見るのが楽しみになっているので、それはそれでいいと思っています。理想は「見なくても気にならない状態」ですが、そこはまだ修行中です。

さらに、一つ意識していることがあります。マネーフォワードは「今の資産残高」を見るだけで、個別のファンドの騰落率や市場ニュースは意識して見ないようにしています。「いくら持っているか」は把握したい。しかし「なぜ上がったか・下がったか」を調べ始めると、リアクションしたくなる気持ちが生まれます。そこに踏み込まないのが、自分なりの折り合いのつけ方です。

この投資方針に行き着くまでに読んだ本と記事

投資方針 finance books on wooden desk

最後に、私の投資方針を固めるのに決定的に影響した本と記事を紹介します。

JUST KEEP BUYING(ジャスト・キープ・バイイング)

ニック・マジューリ著。タイトルを直訳すると「ただ買い続けろ」です(Amazon)。この本でタイミング投資を完全に否定できました。

「余剰資金はすぐに市場に投じた方が長期的に有利」「相場の底を当てようとするより、淡々と買い続けた方が結果がいい」という内容が、データと統計で丁寧に説明されています。「なんとなくそうだと思っていたこと」に根拠を与えてくれた本です。

なお、暴落待機資金の否定、タイミング投資の否定——この2つの方針はこの本から来ています。

「普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方」

hayatoさんというエンジニアの方が書いたブログ記事です(こちらから無料で読めます)。投資の本を何冊も読まなくていい、この記事だけ読めばいいというレベルの内容です。

コア・サテライト戦略への懐疑論がここで固まりました。「シンプルであることが最強の戦略」という考え方を論理的に説明してくれています。投資に迷っている人にまず読んでほしい記事です。

この2つを読んで気づいたのは、「投資で迷うこと自体が損失につながる」ということです。迷うから余計なことをする。余計なことをするからパフォーマンスが下がる。シンプルな方針を持っておくことの価値は、利回りの話だけではなく、「迷わなくていい」という精神的なコストの削減でもあります。投資に使う頭のリソースを、仕事や生活の改善に使う方が合理的だと今は考えています。

まとめ:投資方針は「やること」より「やらないこと」を決める

この記事でお伝えしたかったことをまとめます。

  • 現金は比率ではなく絶対額(生活費6ヶ月分=150万円)で管理する
  • 市場の状況にリアクションしない。暴落待機資金は持たない
  • コア・サテライトは使わない。攻めたいなら現金比率を下げる
  • 「見ること」と「行動すること」は別。見るのは構わないが、動かない

投資方針というと「何を買うか」「どう配分するか」に目が行きがちです。しかし実際には「何をしないか」を決める方が重要だと感じています。やらないことが決まると、判断が必要な場面が激減します。相場が動くたびに「どうしよう」と考えなくて済みます。

私の方針が全員に合うとは思いません。ただ、「シンプルに決めて、あとは動かさない」という方向性は多くの人に合うはずです。迷ったときはシンプルな方を選ぶのが、私のもう一つのルールです。

この方針を決めてから、投資に費やす時間と気力が大幅に減りました。月に一度ファンドを積み立てる設定を確認する程度で、あとは何もしていません。空いた時間と頭のリソースを、別のことに使えるようになっています。それが今のところ、いちばんの副産物です。

投資を始めた経緯や迷走していた時期の話はこちらの記事に書いています。合わせて読んでもらえると、この方針に行き着いた背景がより伝わると思います。

※この記事は個人の体験・考え方をまとめたものです。特定の投資商品や手法を推奨するものではありません。将来の運用成果を保証するものでもありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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